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推しのATMになりたい日常

推敲しない女です。

RENT雑感――平間壮一はただの天使でした。

観てきました!RENT!
すっごくよかった!ので、今日は考察抜きにして、とりとめもなく感想を書き留めてみたいと思います。

私が見たキャストはこちら↓

★9月29日(土)ソワレ
≪日替わりキャスト≫
ロジャー ユナク
ミミ ジェニファー
コリンズ 加藤潤一
エンジェル 平間壮一
モーリーン ソニン

シアタークリエに入ったのは三年ぶり。最後は2012年のRENTの千秋楽でした。最推しである賀来賢人が主演ということで、足繁く通った思い出の場所です。
今回は、アミューズの加藤さんと壮一くんが出るということもあり、そのキャストに合わせて観劇しました。

本当に素晴らしかった。2012年版は、推しが出ているということでどこか冷静にも客観的にもなれず(もちろん心から楽しんでいましたが、推しが出る作品を見る時はやっぱり彼に偏って観てしまうので、どうにも全体を見渡す余裕が持てません。)観ていたので、三年越しに改めて、この作品の純粋な素晴らしさを知ることができたように思います。

とりあえず何から語ればいいのか分からないので、キャスト別に書いてから全体のことを話そうと思います。
2012年との比較もあります、ご了承ください。

▼マーク 村井良大
賀来賢人とは全く違うマークでした。
賢人のマークは、RENTという作品の外側から「物語」を眺めている、まさに作品の「傍観者」という印象。ストーリーテラーとしての語りやコミカルさは、どちらかというと(いい意味での)無個性の象徴のようで、2012年私は彼のことばかり注目していたのに、それを思い出そうとするほど、その傍らに別のキャラクターがいたことを思い出します。
「作品・物語」そのものに居場所がない、マーク自身の個性や歴史や物語が見つからない、ただ「作品」に押し流されるしかない、そんな焦燥感や寂寞感を感じました。作品の語り部の孤独を、彼は表現していたように思います。
村井くんのマークは、賢人のときよりももっと「物語」の内側にいたように感じました。彼のマークには個性があり、歴史があり、物語がある。けれども、彼が立ち入ることのできない「場所」が存在する。
ロジャーたちとは、友達でありながらカメラのレンズを通してしか関わることができない。キャラクターの人間関係における孤独が、見えたような気がします。
「Without You」の「あなたがいないなら、私はいない」という歌詞のとき、一人明かりに照らされたマークを見つめながら、彼にとってのそういう存在がこの物語の中には存在しないのだということに胸が締め付けられました。
表情豊かで、周りに取り残される焦りと寂しさを感じながらも、時折茶目っ気を見せる彼は、ニューヨークの若者の等身大の姿でした。
初めて村井くんの生のお芝居を観たのですが、3列目という近さだったので、その表情をはっきりとみることができました。
眉毛をくいと上げる様、視線の動き、躊躇うように宙を掻く指先。そのすべてにマークの物語があった。
とっても素敵な役者だなあと思いました。一瞬で好きになったよ!


▼ロジャー ユナク
▼ミミ ジェニファー
ユナクのロジャーには、中村倫也のロジャーの系譜を感じる、と聞いていたのですが、実際観てみると確かに!と感じました。
でも方向性としては似たものがあれど、人生や人間というものを諦めたような弱さを持った中村ロジャーと、もう少し幼くて、何かに触れられるのを恐れるような心の弱さを持ったユナクロジャーという印象の違いがあったように思います。
女性の母性本能をくすぐるような寂しさを秘めた、ハリネズミのような弱さ。っていうんですかね。
それを、ジェニファーのミミが抱き締めるという構図!すばらしい!
ジェニファーは、前回観たよりも更にセクシーで、パワフルで、エネルギッシュでした!
物語に出てくる19歳の少女というと何となく、もっと可憐で、儚げで、か弱いイメージを持ってしまいがちですが、実際の19歳は彼女のようにエネルギーに満ち溢れているんですよね。けれども、その陽に当たる部分の裏側に、弱い部分を持っている。
母は強し、という言葉をジェニファーを見ていると思い出すのですが、ユナクも超新星の母親ポジションと聞き、ロジャーとミミってママ会なんだな……とふと思ってしまったのは秘密です。
ちなみに私が思い描く19歳の少女としてのミミの姿は、ジュリアンのロジャーに対するとき見えたような気がしています。


▼モーリーン ソニン
▼ジョアンヌ 宮本美季
▼ベニー Spi
とにかくよかった!!!!!より過激に魅力的にパワーアップしたソニンと、それに負けない宮本さんの伸びやかな歌唱力!ソニンの奔放さが増した分、ジョアンヌの堅物さもより浮き彫りになっていて、それなのに惹かれあってしまうふたりの可愛さたるや。「Take Me Or Leave Me」最高でした!!!
そして、Spiのベニー。キャストに合わせて演じ分けているのだろうキャラクターの前回とは別の一面が見えたような気がしました。マークやロジャーと同じ志を持ち、それを自分なりに形にしようとしているのに、うまく分かり合えないその不器用さが非常に愛おしかったです!


▼コリンズ 加藤潤一
▼エンジェル 平間壮一
このふたりの回を観れて、本当によかったです。
加藤さんの舞台は劇プレの公演と前回のRENT、壮一くんの舞台はアミューズの公演・双牙・ロミジュリ・アルカードしか観たことがなかったのですが(といいつつ結構観てました……)このふたりの今まで知らなかった魅力を見られたような気がします。
一幕の「I’ll Cover You」で、ふたりきり舞台上で歌う様子に謎の感動を覚えました。アミューズ箱推ししててよかった!!!!!!!
加藤さんのコリンズは、2012年に観たときより声の伸びも響きも格段によく、それに演技力が加わって、更に素敵に進化していました。コリンズの優しさや、弱さ、温かさが詰まった愛が、まっすぐにエンジェルへと注がれていて、もう本当に幸せになってくれ!!と心から願うばかりでした。
プライズ、すっごくよかった…!エンジェルへの感謝と愛情に溢れていました。2012年のときから、この曲が終わった後にロジャーがコリンズの背に手を添えながらはけていくのが好きです。

そして、壮一くんのエンジェル。天使、の一言。素晴らしかった。
何から何までキャラクターそのもののルークのエンジェルやドラァグクイーンが内に秘める人間らしさを持ったロウマさんのエンジェルとも違うけれど、少女のような愛らしさや母親のような優しさで溢れていました。無邪気にコリンズへと抱きついたり、愛おしげにそっと触れたり、その仕草が本当に天使そのもの。言いすぎじゃないと思います。「I’ll Cover You」で、手すりに指を滑らせてコリンズへ手を伸ばすのがとっても愛おしくて、切なかったなあ。
そして「Contact」で鍛え上げられた肉体が露わになり、病に翻弄されながらも抗い生きようとする姿には、人間の生命力そのものを見た気がします。
「Take Me Or Leave Me」で、最初コリンズに抱きしめられながらふたりの様子を見て笑っていた彼が、曲の終わりに近付くにつれ次第に表情に影を宿していったのが印象的でした。

加藤潤一と平間壮一って本当にすごい役者なんだな、もっと彼らのコリンズとエンジェルを観たかった。一幕を3回ぐらい繰り返し観て心づもりをしてから、心して二幕に挑みたい、そんな気持ちです。



今回、初めて客観的に作品を観て、海外の作品独特?の面白さを感じたのが、彼らの親の存在でした。
二幕最後の「Voice Mail」。ロジャーの母親、ミミの母親、ジョアンヌの父親、マークの母親が出てきます。
日本での若者たちに焦点を当てた作品において、印象的に描かれる親の存在は、その多くがキャラクターへの抑圧や制限、コンプレックスへと結びついているように思います。また親が登場することでキャラクターに途端生活の匂いがしはじめるようにも感じます。個人的にです。男のキャラクターの母親が出てくると、あっマザコンかな?と思ってしまうあの感じです。
もちろん彼らも人間なので、親がいることは間違いないのですが、それが登場するだけで私はそのことに深い意味を感じてしまいます。
けれどもこの作品には、親という存在がさらりと、しかし印象的に描かれています。でも、それがキャラクターへの抑圧や制限、コンプレックスへと繋がっているようには見えない。親の存在は、あくまでも他のサブキャラクターと同列に語られます。
幼い頃より親から自立した個人として子どもを育てるアメリカと、家族の中心が子どもになる日本。アメリカと日本の親子関係の違いを、そこで改めて感じました。
いまの時代、日本にもアメリカ的な教育方針の家庭も多いと思いますが、日本の過去の物語を観れば日本的な家庭を想定したもののほうがまだずっと多いですし、私もそういう作品を観て育っています。親が子の抑制や制限やコンプレックスの象徴と感じるのも日本で育った自分だからこそなのだなと、自分の価値観を改めて知る機会になったのも、今回客観的に作品を観られたからなのだなあと思うと嬉しい限りです。

とにもかくにも素晴らしい作品だったRENT!
全日完売との噂を聞きますが、叶うならもう一度観に行きたいです。
二幕最初の「Seasons Of Love」で涙が零れ落ちそうなほど目を潤ませていた壮一エンジェルが、ラストで嬉しそうに加藤コリンズに寄り添う姿が、帰宅した今でもはっきりと目に浮かびます。
本当に素晴らしい観劇体験でした。

最後に。
アミューズの平間壮一くんはただの天使です。