推しのATMになりたい日常

推敲しない女です。

仮面ライダードライブについて交々――いつかまたひとっ走り付き合うよ

初めて、仮面ライダーというものを、特撮というものを、追いかけた一年でした。
正直に申し上げますと、見てない回もあるし、映画も見れてないし、イベントも飛天とファイナルしか行けていないので、特撮ガチ勢からすると「追いかけたって言わねーんだよそれは!」とお叱りの言葉を受けてしまいそうですが、それでも私にとっては本当に新しい体験でした。

今まで私にとって特撮は、私にとってテニミュが昔そうであったのと同じように、少し距離のある遠い沼でした。
毎週日曜日の早朝決まった時刻にテレビをつけ、イベントにも足繁く通うファンの熱に気圧され、まあ私には縁のないコンテンツだろうなあと他人事のように思っておりました。

そんな私が特撮に触れるきっかけになったのが稲葉友くん。
デビュー作「クローンベイビー」で初めて出会った彼と、中屋敷演出作品「露出狂」や「飛龍伝」で再会し、間宮くん周辺の役者さんたちとの仲睦まじい様子を微笑ましく眺めつつ、「クロードと一緒に」でがつんと強い力で惹きつけられ、「フランダースの負け犬」でその役者としての魅力を知った矢先の出演。
私が箱推しして止まないアミューズ事務所の松島庄汰くんの出演もあって、ついに私はこの沼に足を踏み入れることとなりました。

「えっ?稲葉くんがライダー?嘘でしょ?」と、今まで観てきた舞台作品とのギャップに困惑と驚きで戸惑いつつ、ツイッターで「ドライブ観ます」と宣言したら「来年の秋にあるファイナルだけは、絶対に観に行った方がいいよ!」と周りの方々が親切に教えてくださいまして……こうしてこの日を迎えたのであります。

作品の話は、色々と見切れていない今、まだできる気がしないのですが、とにもかくにも本当にキャストの皆様の成長を感じた一年でした。
特に竹内涼真くん。飛天の時、竹内くんが泣いてしまった時「ああこの子は噂のファイナルでどうなってしまうのだろう」と思いましたが、今日彼が流した涙はしっかりと成長した主演のそれでした。
一話ではまだスーツに着られていた彼が、経験豊富なキャスト陣に支えられていた彼が、舞台の真ん中でキャストみんなに声をかける様にとても胸を打たれました。
ひとりひとりにそうして感謝しながら、彼らの期待に恥じぬように一年間必死で食らいついてきたのだろう彼は、表情からして一年前とはまるで違っていた。かっこ悪いところも情けないところもいっぱいあっただろうけれど、ドライブというヒーローは、今となってはもう君しか考えられないよ。

最後の挨拶で一番最初に堪え切れなくなった稲葉くん。今まで踏んできた場数が多いからこそ、そしてそのポジションだからこそ、負っていた責任や想いも大きかったんじゃないかなあと考えてしまうけれど、そして「斜に構えてしまう」彼だからこその悩みもあっただろうけど、彼がいなくてはこのチームはまとまらなかった。最初は稲葉くんがこんな風に泣き崩れるほどこの作品に思い入れができるようになるなんて、思ってなかったよ、本当に勝手にそう思ってたよ。
そして、個性の強すぎるキャラクターで最後までその役まわりに徹していた庄汰さん。居酒屋庄汰でのぬるぬるっとしたトークの印象が強かった彼ですが(笑)、私はドライブを通じてアミューズという箱にいるときには気付けなかった彼の魅力を知ることができました。きっと真面目で、人一倍周りを気にしてる。こんな人だったんだなあ、と数年間彼を見ていたのに今更のように思いました。
ドライブという作品に出会うきっかけをくれた、二人に感謝です。

そして、飽き性な私がこうして追いかけ続けられたのは、ツイッターの力が大きいと思います。
彼らの何気ないやりとりや写真が、少しずつ親密さを増していくとともに、チームの絆が深まっていく様が見えるのはとても楽しかった。作り手が見えるものが売れる時代に慣れた私には、やっぱり作品をつくりあげている彼らの表情が見えることが、一番安心に繋がるのかもしれないなあと思ったりもします。


昼公演の時に、竹内くんが客席の子供に「君がハタチになって、俺が40歳くらいになっても、進ノ介って呼んで」と、「約束ね」と優しく呼びかけました。
ドライブを観ていたすべての子供たちにとって、竹内くんはいつまでもヒーローであり続けてくれる。それってすごいことだなあと思います。
竹内涼真という役者にとっては、この役も、彼がこれから先に演じていく多くの役のひとつであって、彼はこの先今の彼が想像もしないほどのかけがえのない役に出会うかもしれない。
けれどもそう言って子供たちに「約束」ができるくらいに、そして子供たちにとってそうであるように、大切で特別な存在として、泊進ノ介という男のことが彼の胸に深く刻まれたのだなと思うと幸福感でいっぱいになります。
私の大切な作品に対して、彼も同じように思ってくれている。どんな言葉よりも、私はその「約束」が心に沁みました。

今後また彼の、彼らの作品に出会うことがあったら、そのときは彼らが全力疾走で駆け抜けていくその傍らを共に走りたいです。だから、そのときはまた、ひとっ走り付き合わせてね。


とりとめなく、推敲もせず、勢いで書いてしまいましたが、素晴らしい作品とキャストと、共に過ごせた一年間。本当に幸せでした、ありがとう。

そして本日、私は私自身が蕨野さんに落ちる音を聞きました。推します。推しが今日もまた増えました。
お後がよろしいようで。