推しのATMになりたい日常

推敲しない女です。

2015年下半期舞台・イベント個人的感想

だいぶ遅くなってしまいましたが、2015年下半期感想まとめです。
読み手のことをまったく考えていない読みにくさで恐縮です。何か思い出した時に追加することもあるかもしれません。
上半期はこちら


■7月

  • 映画「青鬼」初日舞台挨拶 4回
  • 七夕ジャンクション
  • 女中たち
  • キャストサイズイベント 第1部/ゲスト:水石亜飛夢、原嶋元久
  • キャストサイズイベント 第2部/ゲスト:原嶋元久、杉江大志

7月は割と落ち着いた月でした。
映画「青鬼」初日舞台挨拶では、久しぶりに中川大志くんのお姿を拝むことができました。東京ガールズコレクションかなにかの水球ヤンキース出演ステージ以来かなと思います。大志くんには「家政夫のミタ」のDVD発売記念イベントの時に初めてお目にかかったのですが、13歳の少年だったあの頃から比べて随分青年らしく成長していて、今更ながらにしみじみとしまいました。松島くんとのビジネス絡みも見せてくれて、おおおおお若手俳優だ!と当たり前のようなことを思った次第でございます。けれどもトークになると、やっぱりお客さんの方を見られないのを松島くんに指摘されていて、そういうところは変わらずなのが微笑ましかったです。松岡広大くんもですけれど、推しが少年から青年へと成長していく姿を見られるというのも、なかなかない経験だなあと思うことしきりでございます。
女中たち」 は劇場に入った時に、中屋敷さんの作品にしては抽象的でない、具体的な小物などが多いステージだなあと思ったのですが、劇中それが上手く生かされていて面白かったです。矢崎広くんが、シルクの下着の肩紐を直す仕草が官能的で素晴らしかった。「七夕ジャンクション」の原嶋元久くんも、衣装が妖艶な感じで良かったなあ。


■8月

  • ダイヤのA
  • 劇団☆新感線「五右衛門vs轟天」 3回
  • K/東京
  • 松岡広大写真集握手会
  • 松岡広大写真集発売記念トークイベント
  • K/大阪 2回
  • 中屋敷法仁のナマ屋敷/ゲスト:宮下雄也、佐藤流司
  • Have a good time?
  • ライブ・スペクタクル「NARUTO」DVD上映会 2回

この辺から下半期の怒涛の日々が始まりました。
ダイヤのAは原作を知らずに乗り込んだのですが面白かったです。元々高校野球が好きなので、スタメンに選ばれなかった子たちの悔しさが伝わってくるシーンでは夏の球児たちを思い出してぐっときてしまいました。2.5次元舞台で、推しとは関係なく初めて泣きました…。しいていうなら、もう少し高さと奥行きを感じさせる演出にしてほしかった。素直に野球をやるシーンが多かったのもあってか、狭さを感じてしまったのがちょっと残念。続編も行きたいです。
舞台「K」は東京と大阪で観ましたが、大阪千秋楽でまさかの公演中断という事態がありました。ククリ役の方が病気で舞台に立つことができなくなったと制作と演出家からお知らせと謝罪があり、代役は立てず末満さんが声を当てる形で舞台を進行、その形に納得できない場合はその場で退場してもOK、返金いたしますという対応でした。これが初めての観劇なら、役者ヲタでなければ、私はこのまま観劇しなかったかもしれないし、時間がもう少し押したら早めに会場を出ざるを得なかった。怒ったと思うし納得もいかなかったと思います。商品として考えればあってはならないことだった。けれども演出の末満さんが「幕を閉じさせてください」と土下座をして謝った時の、目の前の作品や人を守りたいという気持ちは痛いほど伝わってきて、どうにも涙が止まりませんでした。未完成の形で客席に届けてしまった事はプロとして間違いなく失格だし、信頼を失う行為だったけれど、そうと分かった上で舞台に立ち続けた彼らには心から拍手を送りたいと思います。作品としては、第一弾の時の酷評を聞いていたのですが、なかなか面白かったと思います。OPとEDのダンスの安西猿比古に踏まれたいです。
「Have a good time?」は、私が劇団プレステージの本公演を初めて観たときの思い入れのある作品でした。その前の番外公演が本当の最初だったのですが。ぼんやりとこの作品をもって劇プレを箱推しするのを最後にしようと考えていたので、最後の作品テーマ曲が流れた時にはこの作品の初演から三年間通い続けてきた公演を思い出して、めちゃくちゃ号泣しました。千本桜ホールの千秋楽公演最前列だったなあ、初めてのあのときは。今後も機会があれば観に行きたいと思います。
NARUTO」DVD上映会では、シンガ公演ぶりにメインキャストが揃ったところを見られて幸せでした!運良く両公演参加できたのですが、広大くんが他三人を信頼しているのが伝わってきて改めて良い座組だったなあと思いました。しかし可愛いとしか言えなかった…。大画面でDVDを見られたのですが、やっぱり公演中は私推しばっかり見てるなあと実感した時間でした。
いやはや、こう考えてみると、私には珍しくよく泣いた月だったなと思います。


■9月

「五右衛門vs轟天は、5月に大阪公演も行く予定だったのですが都合で行けず、8月に入ってようやく観ることができました。実は劇団☆新感線の五右衛門シリーズのノリが少し苦手で、さほどチケットを押さえていなかったのですが、35周年という節目の年に行われた今作はまるでビックリ箱のように新感線ゆかりの豪華キャストと派手な演出が繰り広げられるお祭り騒ぎの作品で、十分楽しく観ることができました。あれだけの大物キャストに囲まれながら賀来くんのキャラクターもきちんと輝いていて、モテリーマンやスパマロットの頃のコメディ作品ではどちらかというと自由でパワフルな周りのキャストの間で楽しそうに笑っている印象だったのですが、今回は周囲に負けず劣らず作品を引っ掻き回しているように見えて、とても素敵でした。
金色のコルダは期待以上の良作でした。原作を知らない私でもストレスなく内容が理解できる丁寧なつくりで、オケも迫力があってよかったです。麻璃央くんの役が冷徹で無機質そうに見えて実は体温のある役だったとか、小沼くんが相変わらず二次元から飛び出したようなパーフェクトスタイルだったとか、舞台上にいるだけで空気を変えてくれる理人くんの存在感とか、キャスティングもとても素敵。
「少年たち」は、滝沢歌舞伎に続いて二作目のジャニーズ舞台でした。ショーパートは、キャスト全員がきらきらしていて素敵だったのですが、ストーリーパートは色々と思うところが。戦争の話にしたいのか、若い少年たちのキラキラした部分を見せたいのか、どっちつかずの中途半端さが目について、キャストが一生懸命だからこそこの作品でなければと思ってしまったのが残念でした。
ミュージカル「テニスの王子様 青学VS聖ルドルフは、私が今まで見たテニミュの中でもトップクラスで好きな公演でした。テニミュに限らずスポーツ漫画原作のミュージカルにおいて、ひとつの公演で作品が完結するというイメージはあまりなく、基本的にはテニミュであれば全国立海まで観て初めて完成される長い作品という風に捉えながらいつも観ていたのですが(そうして積み上げられて観られる作品という面白さがあるので、それが悪いとは思っていません)(まだそういう作品の初心者なので、今までの数少ない経験上になりますが)、ルドルフは次の公演への期待を煽りつつも、その公演だけで満足できるような本筋とは別の軸を持った作品に感じました。それは聖ルドルフという学校が持つ特性なのかもしれないのですが、人間関係の中でひとりひとりが少しずつ成長していくさまが丁寧に描かれていました。不動峰の描き方も、一幕二幕を通した全体の構成も、総じて好きでした。リョーマというキャラクターに初めて色気を感じたり、桃城と海堂の関係っていいなあと改めて思ったりもしておりました。ルドルフは特別好きな学校という訳ではなかったのだけど、千秋楽が終わった頃には、もっとチケット取っておけばよかったなあと思えたのは幸せなことだなあと思うばかりです。ドリライはやく〜!
女海賊ビアンカも面白かった! 最後はややもやっとしたところもあったのてすか、歌も照明もキラキラしていて、非日常というに相応しい作品でした。ビアンカとシルバーがデュエットしてる姿から一度苦しそうに目を逸らした後笑顔になって見つめるアルベルトにめっちゃぐっときてしまい、原嶋さんのお芝居本当に好きだなと改めて思った次第です。
「天邪鬼」もう既に感想をまとめたので割愛しますが、混沌とした人間くさい毒にまみれながらも、どこか真っ直ぐに光が差しているように明るいところがあって、そこに決意というか意志の強さというか、救いようがないというより寧ろ何かしらのヒーローのようなものを感じて、私が今まで見た中屋敷さんの作品の中でも特にポジティブな作品だったなーと感じました。
「武士白虎 〜もののふ白き虎〜」こちらで、「RENT」こちらで、語っているので割愛します。
9月はとにかく良作に恵まれたなあと思います。あっ通学シリーズの大志くんもかわいかったです……水ヤン以来すっかり千葉くんと仲良くなっていて…好き……


■10月

「黒いハンカチーフ」は、これぞエンターテイメント!という心地よさで観ることができた作品でした。オチがある程度予測できるだけに安心感があり、けれどもだからつまらないのではなく、その予測を少しだけ越えるような小さなドンデン返しが最後にあって、頭からケツまでストレスなく楽しめる作品とはこういうことだなあと改めて思いました。矢崎さんの先生が格好よかった…なかやざき第二弾いつまでも待ってる……
「Sleeping Beauties」は、割と後方席が空いていたのですが、このお値段で、この場所で、こんな最高級の歌が聴けちゃうの!?という贅沢感がたまらない美味しさでした。ラグジュアリー演劇……。
仮面ライダードライブ ファイナルステージ」も、詳しくはこちらで語ったので割愛しますが、竹内くんがライダーになってくれて、初めて追いかけたライダーがドライブで、よかったと思うことしきりです。
「夕陽伝」、あっ、はい、萌えました!ありがとうございますありがとうございます!繊細な脚本に、ド派手な演出がややミスマッチで違和感は残りましたが、しかし面白い本でした。池岡くんの下衆い色気が控えめに言ってサイコーでした。
そして、なにより「朝彦と夜彦」。両ペア観劇できました。先に、松島くん松田くんペアから見たので、そちらの感想から。こちらでは、朝彦の視点から作品が見える部分が多かったなあと思います。学生時代の自分たちに無難に3をつけていたような教師になった朝彦。けれども、彼の本当の核は、宅配業者の男を耐え切れずクビにしてしまうような、そんな1か10で厄介な人間の人生を背負ってしまうところにあって、それは夜彦が好きな「自分で殺してくれる」男でもあるのだなあと思います。朝彦はただ漫然と3をつけ続ける人生を受け入れながらも、本当は夜彦のような存在を核として、堂々と1や10をつけられるようなそんな男になりたかったのかもしれない。だから人間臭く苦悩している。キャストふたりは自分自身の中身は逆だと言っていましたが、だからこそ彼らがその逆を演じることに意味を感じました。特にハンサムなどでよく知る松島くんは、今までは確かに夜彦のイメージでした。けれど、役者の仕事を通して朝彦であることもきっと求められていただろうし、それを見事に演じきることもできる男なのだろうとドライブの色々を見て思っておりました。彼の朝彦は、夜彦を心のどこかで欲するような、憧れに似た熱情を持っているのがよかったです。
そして、桑野くん法月くんペアでは、夜彦に同調する部分が大きかったです。こちらの朝彦と夜彦はいつか、たとえ何年先になっても、死ぬときは多分一緒なのだろうなあと思います。夜彦の視点から朝彦の横顔が見えて、朝彦になりたかった、という夜彦の言葉がより深く響いてきました。朝彦がいう「普通」の意味が夜彦と同じように分からなくなってしまって、でも松田松島ペアではそういうこともなかったので、あー役者が変わるとこんなにも見え方が違うんだなあと。松島くんの朝彦は不安定なところがある感じがしましたが、桑野くんの朝彦は深い闇の中で諦めという安定を得ている気がしました。彼の朝彦は、自分が本当は1か10かをつけてしまいたいのに鈍感な大人になったふりをして、本当はそうでないことに気づいていながら気付かないふりをしているようでした。法月くんの夜彦は嘘ばかり吐くくせに、誰にも言えなかったことを朝彦に晒してしまうほどに朝彦に心を明け渡していて、同時に彼がいないと「どうにかなってしまいそう」なほどに強く焦がれているようでした。彼の夜彦は、遮光カーテンの闇の中へと手をのべてくれた朝彦のことを、それ以来ずっとずっと白夜のような夜を明かすまなこで見つめ続けて、彼自身より彼を深く知っているんだろうなと思います。
何を言いたかったのかわからない感想になってしまいましたが、とても、大切にしたい作品でした。ざっくり感想すぎるので、朝彦と夜彦だけで記事をひとつ書けばよかったのでは?と思います。


■11月

  • ミュージカル「刀剣乱舞」2回
  • ミュージカル「テニスの王子様聖ルドルフ
  • ドリフェス! ミラクルステージ 2回
  • ミュージカル「刀剣乱舞」ライブビューイング
  • 舞台「戦国無双」DVD発売記念イベント
  • 「BOYS, BE HANDSOME!!!」復習DVD発売記念先行上映会 2回
  • TRUMP TRUTH
  • ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー‼︎」
  • 講師による納祭塾
  • TRUMP REVERSE

「刀剣乱舞」は、正直通いたくなる作品になるとは思わなかったのですが、見終えたあとにはとにかく何これ楽しい!とはしゃいでおりました。最初はキャラのビジュアルと簡単なプロフィールぐらいしか知識がなかったため、いまいち面白さを捉えきれずにいたのですが、ある程度の予習をして挑んだ2回目ではこの作品が原作ファンが求める「萌え」のポイントをきっちりと押さえているものなのだなあと感じました。行間の多い原作ゲームだからこそ、こういうキャラクターが見たい!というファンの想いが強い作品だと思うのですが、その渇きを満たすということをキャストも制作スタッフも非常に意識して作っていたのではと思います。キャラクターひとりひとり、とっても素敵でした。今剣は周囲を無重力に変える力があるし加州に流司くんをキャスティングした人は天才だなと思ったし三日月の殺陣は舞のように優美だったし石切丸はライブパートで紳士だし岩融はビジュアル最高すぎだし小狐丸はじじいとのやりとりソーキュートでした。劇中での歌にあまり脈絡がなかったのはミュージカルとしては少し残念でしたが、ライブパートは本当に楽しくて、初めて団扇作ればよかった!と後悔しました。本公演は三日月団扇で挑みたいものです。
ドリフェス! ミラクルステージ色々と思うところはあれど、とにかく今後の展開が楽しみです。ちなみに私は今のところ黄と青推しです。はやくライブやってくれ〜〜〜!
「TRUMP」はTRUTHを観てあまりにも面白かったので会場でリピーターチケットを買ってREVERSEも観ました。ラファエロとアンジェリコの関係が大好きすぎました。アレンがTとRでまったく印象が違っていて、陣内アレンは狂気を感じて、それに誘発されるように武田クラウスが狂ってる感じがよかったし、武田アレンは純度100%天使で、それに憧れて焦がれてでも手に入らない陣内クラウスって感じがたまらなくよかったです。エンディングに現れる武田クラウスには悦びを、陣内クラウスには哀しみを感じて、二度美味しく楽しませていただきました。
「ハイキュー‼︎」に関しては、12月のラストで語らせてください…。
そして、ハンサム復習DVD発売記念先行上映会があったんですね。この月は。年末のハンサムライブがないという絶望感に打ちひしがれながらも、そもそもイベントがない告知をしてくれるアミューズとかいう事務所すごくない??と謎の事務所上げをしていた頃合いでの発表で、もうとにかく血眼になった申し込み、幸運にも二回参加することができました。推しが来る回に入れるのかどうかと当日の朝まで本当に胃が痛かったです。
こうして、ハンサムライブ以外の場所で、彼らのトークを聞くのはもしかしたらTHE GAME以来だったのかもしれないなと思います。レポらしいものはツイッターに投下したので省略しますが、やっぱりこの子たちが好きだなあと感じるばかりでした。来年のハンサムライブは、きっとメンバー編成も大きく変わるのでしょうが、それでもやっぱり一年を終えるためにはハンサムがないと!と思うので、今年の年末が楽しみです。


■12月

  • ナイロン100℃ 43rd SESSION「消失」
  • 書を捨てよ町へ出よう
  • ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー‼︎」
  • ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー‼︎」ライブビューイング
  • 俺と世界は同じ場所にある 2回
  • 黒羽麻璃央カレンダー発売記念イベント 2回
  • 夜の姉妹
  • ミュージカル「テニスの王子様」山吹
  • ライチ☆光クラブ 2回
  • 晦日明治座納め・る祭
  • 年越しRUN舞で☆るンバ

ナイロン100℃ 43rd SESSION「消失」、めっちゃ面白かったです。劇中にふわっと語られる舞台の設定やらキャラクター像から外側ははっきりとしてくるのに、核心が見えない不安感があるというか、それが想像力を掻き立てて、最初劇場に入った時には何の変哲もないように見えた舞台上が、終わった時にはパースの狂った世界に見えました。不思議な体験。それが夢に出そうだなあと思ったら、本当に夢に出て、そのおぞましさにはっと目覚めたら、金縛りになっていて、しかも部屋の入り口にぼんやり人影がふたつ見えまして、あ、これヤバイやつだ!こういう時はエロいことか楽しいことを考えねば、と思って深夜3時ぐらいから実況動画見始めたという事案が発生しましたが、このあと実は高熱があって魘されていたのだと発覚したのはまあ良い思い出です。
「書を捨てよ町へ出よう」は、以前より気になっていた村上虹郎くん目当てで観劇しました。久々にこういう作品を見たなあという感じでして、不勉強ゆえに理解はあまり及ばなかったのだけど、女性陣が非常によかったです。そして、虹郎くん。孤独と絶望を抱えた19歳にもうすぐなる18歳、ひと公演ごとに傷を負いながらも、羽化の時を待ちわびているような印象でした。彼の声は、常に囁きのように細く、かよわく、後ろまで届かないことも多かったのだけど、でも不思議と言葉が浮かび上がってくる、空間に存在感が響いているようでした。彼をもっと知りたいと思うけれど、玉ねぎのように皮をめくってもめくっても、何にもたどり着けないような気がします。作品としては、80年代、90年代、そして2000年代の時代が代わる代わるに表現されるコラージュ的なつくりで、そうしてめまぐるしくかわる「時代」の中でも浮かび上がる肉体のしなやかさと艶めかしさは変わらないのだなあと感じました。そんな中で、役と同じ名前を持った虹郎くんだけが、孤独に翻弄されているところがまた彼を魅力的に見せてくれていて、もう推しが増えた気配しか感じ取れませんでした。つらい。楽しい。
「俺と世界は同じ場所にある」も、結構じっくりと感想を書いたので、こちらでは語りませんが今の彼らが演じることに意味を感じる作品でした。また何年後かにこの四人でアフターストーリーやってくれ〜〜〜!
麻璃央くんのカレイベは、黒羽麻璃央という役者にはこれからもっともっと大きくなってほしい、なるに違いない、と思わせてくれるようなイベントでした。「刀剣乱舞」の本番中にお父様が倒れて、本番後にお見舞いに行ったというお話をしてくれたのですが、昔は親に手を引かれてお見舞いとかにいっていた立場から自分一人で行く立場になって、男として成長しないといけない、自分の意思で自由にいろいろできるようなところまでのぼっていかないと行けない、そういうきっかけになった舞台でもあったと話してくれたのがとても印象に残っています。そのあと、シリアスな空気になった雰囲気を茶化すように変えようとするのも、なんだか本当にたまらなくて、うううう好きだよありがとうううううという気持ちでした。応援してくれてありがとうございます、と言われるよりも、こうして仕事に取り組むときの気持ちや想いをを見せてくれたり、こうなりたいという強い決意を見せられる方が、私はぐっと惹かれてしまうのだなと思います。
「夜の姉妹」原嶋元久が可憐な少女すぎる〜〜ヽ(;▽;)ノとうとい〜ヽ(;▽;)ノという感じです本当にありがとうございました。一幕はどちらかというと男女逆転を笑いにするシーンが多かったのですが、二幕では話の筋にそれが生かされていてよかったです。役的には、平野くんと黄川田くんが印象的でした。妊娠したローザの表情が少女から母になっていたのにはドキっとしましたし、黄川田くんは役の感情表現が希薄なだけに弱さを見せるシーンが引き立っていて素敵だったなあと思います。
ミュージカル「テニスの王子様 青学VS山吹」は、ルドルフでハードルが上がりすぎていた感はあったのですが、楽しかったです!ジミーズの派手具合が可愛かったです…千石のダンスが、好き……
「ライチ☆光クラブ、本当に最高でした。中村倫也くんが好きでして、あああゼラ様〜〜と叫びたくなるような、跪いて足を舐めたい系ゼラ様でした(語彙力とは)。ゼラの狂気と、タミヤの意思の対比がすばらしく、ラストシーンの迫力はこの二人だからこそのものだなと思います。東京ゲゲゲイのパフォーマンスも作品のスパイスとして効いていて、新しいライチの扉を開いた気がします。中村倫也という役者は、本当に色気の幅が広く、人間としての執着や弱さがみせる美しさが魅力の今回のキャラクターはまさにぴったりでした。倫也くんの舞台は、RENT以来すべて観ていますが、本当にハズレがない、というか、もう彼が出ているというだけで価値があると感じるばかりです。
「晦日明治座納め・る祭」は観劇納めにふさわしい、面白い作品でした。いままで観た祭シリーズの中でも一番好きかもしれないです。阿弖流為が死んでも途端に何かが変わる訳ではなく大団円を迎えられるわけでもなく強いものが弱いものを蔑み支配する構造は変わらないけど人の心は変わるんだなあと、当たり前のことを感じました。合唱曲の使い方がよかった、どこか懐かしくて、ただ純粋に何かを信じる彼らの気持ちが、説教臭くなくすっと入ってきたのが、しみました……。そして、めんまろもまろせも天使でしたありがとうございました。「年越しRUN舞で☆るンバ」も、昨年同様事故しかなかったですが、天使と女豹が降臨してくださいまして本当に幸せな年越しでした。
そして、ようやく、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー‼︎」の話を!します!本当はこれだけで記事をまとめようと思っていたのですが、あれよあれよというまに時が過ぎ、記憶も曖昧になってしまったのでここにしたためます。正直に申し上げまして、多分、いわゆる2.5次元作品の中でも三本の指に入るくらい好きでした。アイアシアターであるということを差し引いても、とにかく完成度が高い作品だったと個人的には思います。以下は今まで以上に個人的な感想になります。
須賀健太くんの日向は、本当に日向でした。そうとしか言いようがなかったです。きらきらしてて、バカで、まっすぐで純粋で。影山と出会うことで彼の中の才能が引き出されていく様を、鮮やかに演じていました。木村達成くんの影山も、とにかく影山で、むって唇尖らせるのとか、ぐって唇を引き結ぶのとか、ボゲェ!の言い方とか、影山って実在するんだな…と感動して震えました。実はの話をすると、冒頭で王様の格好をして出てきたときは、ホンモノだ…影山だ…と思って泣きましたありがとうございました。木村達成は影山飛雄じゃないんだよ!?!?と自分に言い聞かせながらファンクラブ要項を読んで悶々と過ごす日々です。
……話は逸れましたが、そんな二人の関係が、私は原作でも大好きなんですよね。それが、とても丁寧に描かれていたのが嬉しかったです。影山の不安とともに王様の形を縁取った影がむくむくと膨らんでいくのを日向が消してしまうところとか、影山の世界が崩れていく中で「影山!いるぞ!」と日向が叫ぶところとか、影山にとっての日向が光として描かれているのが非常に良いなと思いました。特に、旭さんに嫉妬してたろ、というシーンは原作でも特に好きなシーンでして。二人ともバカで不器用だけど誇りがあって、真逆だけど似た者同士だから隠し事なんてできない。影山にとって日向が光だという描写があるからこそ、日向がエースを羨んで嫉妬して、囮である自分を卑下するのが、自分を否定されるように許せないんだろう、と観ているこちらが彼らの感情を繋げて観られるのがよかったです。上手下手に分かれて立った日向と影山がそれぞれの過去を突きつけられて、でも「コートに立っていたい!」と二人で叫ぶシーンも最高に高まりました。お互いに違う方向を向いて、違う悩みに苦しんで、でも共通するその部分を重ね合わせることで二人は強くなるんだね……涙ちょちょぎれ案件です、影山の前に日向が現れてくれて本当に良かったと思うばかりです。バカとバカだから、ぶつかりあうけど、でもだからこそ分かり合えるものがある。そういう部分を本当に丁寧に描いてくれた制作陣とキャストに感謝の言葉しかないです。
原作三巻分とはいえ、限られた時間の中で描くために省略される部分も多かったですが、日向と影山だけでなく、烏野ひとりひとりの細かい感情まで織り込まれて展開していくのも良かったです。旭がこっそり体育館に練習を見に来た時に、スガさんが床に置いてあるボールを愛おしそうにそっと持ち上げるのが好きでした。優しくて、気配りができて、大胆なところと臆病なところがあって、あまりに冷静だからこそ引き際が早くなってしまいがちで、でもそれでもバレーが好きで、誰よりもコートに立っていたい。その気持ちがそこに凝縮されていました。お察しのとおり、スガさん好きです。烏野上級生に関しては、度々挿入された過去シーンで、彼らの心にはずっと伊達工との試合がリフレインし続けているということが印象付けられるので、ひとつの公演を通して彼らひとりひとりの気持ちが繋がって見えて、それもまた素晴らしい作りだなと思いました。
青葉城西のシーンも、数は少ないけれど見せ方が好きでした。登場シーンが格好良すぎでは??と思います。特に及川。芝居が回を重ねるごとに格段に進化していくのを感じましたし、何よりあのジャンプ力は、あれだけでキャラクターの説得力が増して、影山の前に立ちはだかる壁としての厚みを感じました。登場シーンが少ない分、原作よりも嫌味が少なくて、キャラクターらしさというよりも影山にとっての壁という存在の意味合いがまだ強いけれど、今後続編があれば!きっとキャラクターらしい及川を見せてくれるんだろうなと思います。「今日も信じてるよ、おまえら」で及川サァァァァァン!!!!と叫びたくなる気持ちプライスレスでした。
上級生の話の時にも少し触れましたが、作品としての作りも非常によかったです。作中ではボールをやり取りするようなストレートなバレーの表現は少なく、サーブやトスの動きやダンスを使っての表現が多かったのですが、横も縦も高さも限られたあの会場ならば、ああいった表現が一番試合の熱さを伝えてくれるのだろうなと思います。日向の速さを表現するために最初の一度だけ影分身のようにアンサンブルを使うのも、これから先こういうシーンがあったら日向はこんな風なスピードで走って飛ぶんだぞ、ということを、初めてこういう作品に触れる人に最も分かりやすい形で伝えていて、好印象でした。
それから、ラストシーンの表現が、演劇的で私はとても好きです。これは好みが分かれるところだと思うのですが。日向の両肩に影山と及川が手を置いて、その彼らの肩に次のキャストが手を置いて、ってそれが数珠繋ぎになって、日向の羽根になる。日向が飛べるのはチームという仲間がいるからで、日向の翼は仲間なんだというエンディングは、言葉にすると陳腐だけれど、こうした言葉のない表現にすることで真っ直ぐに心に響いてきました。そこばかりでなく、青春もので、スポーツもので、少年漫画だから、説教くさい作品にだって幾らでもしようがあると思うのですが、まさにそんな言葉を武ちゃんが言っている時も、日向は後ろで寝てるし、それぞれ好き勝手に話しているし、先生もポエミーすぎたかなって茶化してしまいます。キャラクターに向けて語られる言葉は、彼らのフィルターを通して、角を落とした少しだけ柔らかい形で観客の元へと届いてくる。けれども、それは言葉の意味や価値を薄めるどころか、彼らの積み重ねてきた経験が上乗せされて、伝わってくるというよりも、納得させてくれました。
舞台上が斜めになっているのもとても効果的で、舞台上がより立体的に、会場が本来持っているキャパを、それ以上に見せてくれていました。アイアシアターって、こんな風に広く、大きく使えるのだなあと驚きました。その試合の時でのジャンプの威力とか、あるいは映像を映すためにもすごく生きていましたし、そう、床に投影される映像がとてもよかったんですよね。マンガにはマンガにしかできない表現があって、映像には映像にしか、演劇には演劇にしかできない表現があって、それは別々に存在しているのが当たり前だったけれど、この作品ではその3つが掛け算されて、その分だけ表現の幅が広がっているように思えました。
ルドルフがそうだったように、この作品は、この先の舞台の内容の先まで追いかけて初めて完結する作品ではなく、このひとつだけとってもきちんと完結しているというのが私には割と大きく感動した点でした。上級生にとっての伊達工との試合はもちろん、一幕で日向や影山が気づいた・知った、信じるということが、きちんと二幕に引き継がれていて、人から人へと伝わっていく。ひとつの作品として非常に価値の高いものに感じました。
元々「ハイキュー‼︎」という作品が大好きで、それに加えて好きなキャストや脚本家が関わっているという色眼鏡もあると思いますが、それにしても素晴らしかった。再演を待つ今、それが終わったら、山口が葛藤するシーンとかも見たいし、合同合宿編も見たいし、日向が目を開けるところも見たい。原作に思い入れがある作品の舞台化には、いつもとは違う楽しみがあるのだなあと思いましたので、今後は流行の漫画はきちんと追っていきたいと思います。
とにもかくにも、黒バスも元々原作を軽くですが知っていた作品なので、期待しかないですね。全巻読んだので予習はばっちりです。


長くなりましたが、2015年。本当に出会いの多い一年だったと思います。下半期は特に意識して推し以外の作品も観に行くようにしていたのですが、その中での新しい気付きも多くあったように思います。
一番感じたのは、私が惹かれる役者は、芝居やパフォーマンスをみていいなと思ったやつはついてこい!みたいな肉食系俳優なんだなというところ。ロールキャベツ系なこともありますが、やっぱり「この人のつくる作品が好き」が私の原動力なのだなと感じます。
そんなこんなで、2016年も新しい出会いがある一年になれば良いなと思いながらチケットを取る日々でございます。